トタン屋根や金属屋根にサビを見つけて、「塗り替えで直るのか、それとも屋根ごと替えないといけないのか」と迷われる方は多いです。結論からいうと、表面に出始めたサビは、下地処理とサビ止めの下塗りをきちんと行う塗装で進行を抑えられることが多い一方、穴があいたり鋼板そのものが傷んだりしている部分は、塗装では元に戻せません。
この記事では、トタンとガルバリウム鋼板のサビの出方の違い、白いサビと赤いサビの見方、塗装で対応できるサビと交換・カバー工法を考えるサビの見分け方を、業界団体や塗料メーカー、国の公開資料をもとに整理します。なお、屋根の状態はご自身で屋根に上って確かめないでください(理由は後半で説明します)。
トタンとガルバリウム鋼板|どちらも「めっき」で鉄を守っている
「トタン」は、鋼板(鉄の板)に亜鉛をめっきした亜鉛めっき鋼板の通称です。一方の「ガルバリウム鋼板」は、アルミニウムと亜鉛を主な成分とする合金をめっきした鋼板です。
どちらにも共通するのが、亜鉛の「犠牲防食」という働きです。日本建設業連合会(日建連)の鉄骨工事Q&Aでは、溶融亜鉛めっきについて、亜鉛の皮膜で鉄の表面を守るだけでなく、表面に傷ができた場合も、亜鉛が先に溶けることで鉄を守る効果があると説明しています。この説明は鉄骨用の溶融亜鉛めっき鋼材についてのものですが、塗装されたトタンやガルバリウム鋼板の屋根では、めっきの上にさらに塗膜があり、塗膜とめっきの両方で鉄を守るつくりになっています。
ただし、どちらの屋根材でもサビがまったく出ないわけではありません。実際の傷み方は、立地や塗膜の状態、施工の仕方によって変わります。
白いサビと赤いサビ|色で分かること
白い粉のようなサビ
めっきの表面に白い粉のようなものが付いていることがあります。日建連の鉄骨工事Q&Aでは、こうした白い粉のようなものは、亜鉛めっきの表面が雨水などと触れてできた亜鉛の酸化物(白さび)ではないかとしたうえで、白さびによるめっきの消耗はわずかで、耐食性にはほとんど影響がないと説明しています。出やすい条件としては、めっきが新しく光沢のある状態であること、水がたまって乾きにくいこと、雨水や結露で水分が供給されること、海岸地帯などで腐食物質が多いことが挙げられています。
ただし、この説明は鉄骨用の溶融亜鉛めっき鋼材についてのものです。塗装された屋根で白いサビが見えるのは、塗膜がはがれて、めっきが直接雨にさらされているということでもあるので、塗膜の状態とあわせて見る必要があります。また、塗装された屋根の表面に白い粉が付くのは、塗膜が紫外線などで劣化して粉のようになる「チョーキング」の場合もあります。どちらにしても塗膜の守りが弱っているサインなので、「影響はない」と放っておかず、点検の目安にしてください。
赤茶色のサビ
赤茶色のサビは、めっきの下にある鋼板(鉄)がさびている状態と考えられます。めっきや塗膜の守りが届かなくなった部分から出てくることが多く、白いサビよりも注意が必要です。放っておくとサビが広がり、鋼板が薄くなって穴があくこともあります。
塗装で止められるサビ
次のような状態であれば、塗り替えでサビの進行を抑えられることが多いです。
▶ 塗装で対応しやすい状態の目安
- サビが点状や小さな範囲にとどまっている
- ビスや釘の周り、板の重なり目、折り曲げ部分などに部分的にサビが出ている
- 塗膜の色あせやはがれが目立つが、鋼板そのものに穴やへこみはない
ここで大事なのは、サビの上にそのまま色を塗らないことです。トタン屋根用塗料を販売するロックペイントの資料では、塗る面の汚れや、はがれかかった塗膜をよく取り除くこと、そして鉄や非鉄金属の部分に塗るときは必ず下塗りに適したサビ止めペイントを塗ることが注意事項として示されています。
実際の塗り替えでは、ワイヤーブラシや電動工具などでサビや古い塗膜を落とす「ケレン(下地調整)」を行い、サビ止めの下塗りをしてから上塗りを重ねます。ケレンが不十分なまま塗ると、塗膜の下でサビが進み、早い時期に塗膜が浮いたりはがれたりする原因になります。見積もりを見るときは、「ケレン」「サビ止め(下塗り)」が工程に入っているかを確認しておくと安心です。
また、同じ資料には、湿度が85%以上のときは塗装を避けること、塗装中と塗装後24時間は5℃以下にならない場所で使うことといった条件も書かれています。冬場や雨の多い時期は、天候を見ながら日程を組む必要があります。
交換やカバー工法を考えるサビ
塗料は鋼板の表面を覆って守る膜で、サビで失われた鋼板の厚みを元に戻すものではありません。次のような状態では、塗装だけで済ませず、部分的な交換や屋根全体の工事を検討することになります。
▶ 塗装だけでは難しい状態の目安
- サビで鋼板に穴があいている、または薄くなってボロボロと崩れる
- サビが屋根の広い範囲に広がっている
- すでに雨漏りしていて、屋根材の下(防水シートや下地の木材)まで傷んでいるおそれがある
工事の方法は大きく分けて3つあります。傷んだ部分だけ屋根材を取り替える部分的な差し替え、今の屋根の上に新しい金属屋根をかぶせるカバー工法、今の屋根を撤去して下地からやり直す葺き替えです。一般に、カバー工法は下地が傷んでいないことが前提になり、雨漏りで下地の木材まで傷んでいる場合は葺き替えが必要になることがあります。どれが合うかは、屋根の上だけでなく、天井裏や雨漏りの跡も含めて確認してから判断します。
なお国土交通省の資料では、屋根材(屋根ふき材)だけの取り替えやカバー工法は、建築基準法の「大規模の修繕」「大規模の模様替」にはあたらないものとして扱ってよいとされています(あくまで例であり、実情に応じて判断するとされています)。一方、屋根材の取り替えにともなって屋根を構成する材料をすべて取り替えることになり、その範囲が屋根の過半に及ぶ場合は「大規模の修繕」などにあたるとされており、建物によっては手続きが必要になることがあります。葺き替えを検討するときは、工事の範囲とあわせて業者に確認してください。
また、葺き替えや屋根材の差し替えのように屋根の解体や改修をともなう工事では、工事を行う事業者が、あらかじめ石綿(アスベスト)が使われているかどうかを調査することが法令(石綿障害予防規則)で定められています。古い屋根ほど、見積もりの段階で調査の進め方もあわせて確認しておくと安心です。
雨漏りが疑われるときの見分け方は、津市の屋根工事・屋根修理|雨漏りと劣化サインの見分け方でも紹介しています。すでに雨漏りしている場合の、業者が来るまでの応急処置(濡れた電気まわりに触らない等)は雨漏りの原因は外壁?屋根?見分け方と応急処置で解説しています。
三重の海沿いは早めに点検
白さびが出やすい条件に、海岸地帯などの腐食物質が多い環境が挙げられていたように、潮風を受ける地域では金属がさびやすくなります。三重県は伊勢湾から熊野灘まで長い海岸線があり、四日市や鳥羽・志摩など海に近い地域では、金属屋根や板金部分のサビに早めに気づくことが大切です。海沿いの外装の傷み方は、鳥羽市・志摩市の外壁塗装|海沿いの塩害対策でも詳しく書いています。
▶ 屋根には上らないでください
サビの具合を確かめようと、ご自身で屋根に上るのは転落の危険があります。サビで傷んだ金属屋根は、踏んだ場所がへこんだり抜けたりすることもあります。確認は地上から見える範囲にとどめ、窓やベランダから身を乗り出して見ることも避けてください。気になる箇所があれば、専門業者に点検を依頼してください。
山真塗装の金属屋根の塗装・工事について
山真塗装は、津市を中心に三重県全域で、トタンやガルバリウム鋼板などの金属屋根の塗装を承っています。塗装だけでなく、金属部分のサビ補修、屋根材の差し替え、葺き替え、金属屋根へのカバー工法にも対応しているため、「塗装で済むのか、交換が必要なのか」を同じ目線でご提案できます。現地調査・劣化診断は無料で、どこをどう直すのかを写真でまとめてご説明します。
屋根塗装の費用の目安は屋根塗装の費用相場と塗り替え時期の目安、サービスの詳細は外壁屋根塗装のページと外壁屋根工事のページをご覧ください。
屋根のサビが気になったら、まずは無料の現地調査へ
出典:一般社団法人日本建設業連合会 鉄骨工事Q&A「A-7-12 溶融亜鉛めっき 異種金属接触腐食」「A-7-17 溶融亜鉛めっき 白さび」(同会ウェブサイト掲載)/株式会社ロックペイント「ロックトタンペイント1000番級」製品資料(2025年4月)/国土交通省「屋根及び外壁の改修に関する建築基準法上の取扱いについて」(国土交通省の資料は当社で要約して紹介しています)。製品の数値や注意事項は各社が自社製品について示しているもので、屋根の状態によって当てはまらない場合があります。
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