陸屋根や屋上のある建物で雨漏りが起きたとき、原因を調べていくと防水層そのものではなく▶ 排水口(ドレン)の詰まりが引き金になっていた、というケースがあります。
陸屋根は屋根のように水が自然に流れ落ちる形ではないため、排水が働かないと水が滞留します。この記事では、三重県で外壁・屋根・防水工事を手がける山真塗装が、ドレンが詰まる原因と放置したときのリスク、ご自身でできる点検の範囲についてご説明します。
陸屋根の雨漏りは「排水」から始まることがある
ドレンは屋上に降った雨の出口
陸屋根や屋上は完全な水平ではなく、雨水がドレンに向かって流れるようにわずかな勾配がつけられています。集まった水はドレンから排水管を通って排出されます。
建物によっては「オーバーフロー管」が設けられていることもあります。住まいるダイヤル(住宅リフォーム・紛争処理支援センター)の解説では、排水口の詰まりや集中豪雨で雨水が溜まったときに室内への浸入を防ぐため一時的に排水する管とされ、サッシの下端より低い位置に設置する必要があると説明されています。ただしこれは非常用です。オーバーフロー管がない建物や、それ自体も詰まっている建物では、ドレンが実質的に唯一の出口になります。
▶ 屋上に上がらなくてもわかるサイン
雨のときに外壁の途中から水が勢いよく出ている場合、それはオーバーフロー管が働いている状態、つまりドレンが詰まっているサインです。地上から確認できますので、雨の日に一度ご自宅を見てみてください。
ベランダやバルコニーも構造は同じで、排水口が塞がれば水の逃げ場がなくなります。防水層の役割やメンテナンスの考え方についてはベランダ・屋上の防水工事でもご説明しています。
詰まりの原因になりやすいもの
- 落ち葉や枯れ枝(近くに樹木がある建物では特に溜まりやすい)
- 風で運ばれた砂ぼこりや土砂が固まったもの
- コケや藻、そこに根を張った雑草
- 鳥の巣や羽根
- 劣化してめくれた防水層やトップコートの破片
▶ 目皿があるから安心、とは限らない
ストレーナー(ゴミよけの目皿)が付いていても、網目自体が落ち葉で塞がれば同じことです。正しい向きで設置されているか、外れたり割れたりしていないかもご確認ください。
詰まりを放置するとどうなるか
水位が上がり、防水層の「際」を越える
排水が追いつかないと、屋上に水が溜まってプールのような状態になります。防水層は立ち上がり部分(壁との取り合い)まで施工されていますが、この立ち上がりには高さの限界があります。水位が上端を越えれば、防水されていない部分から直接水が入ります。
実際には、上端を越える前でも浸入は起こります。立ち上がり末端のシールや押え金物のすき間、サッシの下端、笠木の継ぎ目、手すり支柱の貫通部など、本来は水に浸かることを想定していない部分が、長時間水に触れることになるためです。
あわせて、水そのものの重さも負担になります。数センチの深さでも面積が広ければ相応の重量です。「そのうち引くだろう」と様子を見続けるのは避けたいところです。
防水層そのものの傷みも早まる
水が引かない状態が続くと、防水層は乾く機会を失います。溜まった泥やコケの下は常に湿ったままで、塗膜の膨れや藻・コケの繁殖、堆積物の重みにさらされ続けることになります。掃除で済んだはずのものが防水の改修工事になってしまう、という流れは実際によくあります。
雨漏りの原因がどこにあるのかの見分け方は雨漏りの原因は外壁?屋根?見分け方と応急処置で整理していますので、あわせてご覧ください。
ご自身でできる点検と、その範囲
見ておきたいポイント
安全に上がれる屋上やベランダであれば、次の点をご確認ください。
- ドレンの周りに落ち葉・土砂・コケが溜まっていないか
- 目皿が外れたり、割れたりしていないか
- オーバーフロー管があるか、その口が塞がっていないか
- ドレン周辺の防水層がめくれたり、浮いたりしていないか
- 雨上がりの水の引き方(ドレン周りに水が残っていないか)
- 階下の天井や壁に、シミや変色が出ていないか
水たまりについては、少し補足させてください。ドレンから離れた場所の浅い水たまりは、下地のわずかな凹凸によるもので、必ずしも異常とは限りません。気にしていただきたいのは、ドレンの周りに水が残る場合や、屋上全体の水の引きが極端に遅い場合です。こちらは排水経路が疑われます。
無理をしないでいただきたいこと
点検・清掃には危険が伴います。次のような場合は、ご自身で作業されないようお願いします。
- 屋上へ上がるのにはしごや脚立が必要な場合
- 手すりや腰壁がない、または低い屋上
- 手すり・腰壁・笠木にサビや腐食、ぐらつきがある場合(体重をかけない・寄りかからない)
- 雨の日や雨上がりで防水層が滑りやすい状態のとき
- 真夏の日中など、屋上が高温になる時間帯
- おひとりで作業されるとき(ご家族に声をかけてからにしてください)
手すりがあるからと安心せず、まず状態をご確認ください。ゴミを取ろうとすると前かがみになり、手すりに体重を預ける姿勢になりがちです。傷んだ建物では、その手すり自体が傷んでいることも珍しくありません。
清掃時は次の点にもご注意ください。
- ドレンの奥に詰まったものを棒などで突いて押し込まない
- 高圧洗浄機やパイプ用の薬剤を使わない
- 素手ではなく手袋を着用する(鳥の巣や糞、割れた目皿や防水層の破片があります)
- 取り除いたゴミを下へ落とさない
とくに突く・薬剤を使うという行為はご注意ください。ドレン周りの防水層や塗膜を傷つけて、かえって雨漏りの入り口を作ってしまうことがあります。手の届く範囲の落ち葉やゴミを取り除くところまでにとどめ、奥の詰まりは専門業者にご相談いただくのが安全です。
三重県で点検しておきたいタイミング
気象庁 津地方気象台の「三重県の気候特性」によると、年平均降水量は伊勢平野で1,800〜2,000mm、熊野灘沿岸では2,000〜2,500mmとされています。地域差はあるものの、三重県は全体として雨の少ない地域ではありません。排水まわりの状態は定期的に見ておきたいところです。
点検の目安としては、次のタイミングが実際的です。
- 梅雨入り前(雨が続く前に排水経路を確保しておく)
- 台風シーズンの前(強風で飛来物が溜まることを見込んで)
- 落葉が終わったあと(周囲に樹木がある建物では特に)
- 大雨・台風が通過したあと(屋上が乾いてから)
なお台風の直後は、手すりや笠木が傷んでいることがあります。まずは階下の天井や壁にシミが出ていないか、室内側から確認していただくほうが安全です。
いずれも「詰まってから」ではなく「詰まる前」に見ておくという考え方です。防水層の周期そのものについてはベランダ・バルコニー防水は何年ごと?もご参考ください。
業者に相談したほうがよいサイン
次のような状態は、清掃だけでは解決しないことがあります。
- 掃除をしても水の引きが悪い(ドレンの内部や縦樋の詰まりが疑われます)
- ドレン周りの防水層が浮いている、口元との取り合いに隙間がある
- 階下の天井や壁にシミが出ている
- そもそも安全に屋上へ上がれない
調査してみると、ドレン自体の交換や、既存のドレンに新しい排水部材を被せる「改修ドレン」で済むこともあれば、防水層の改修とあわせて検討したほうがよいこともあります。
ただし改修ドレンには注意点があります。既存のドレンの上から被せる構造のため口径が一回り小さくなり、排水能力は下がります。メーカーも、既存のドレンが小口径の場合やドレンが1か所しかない屋上では、排水効率を大きく落とすことになるため慎重に検討するよう案内しています。まさに排水で困っている建物ほど、この点の確認が欠かせません。
工法ごとの違いは屋根防水工事の費用相場と工法の違いにまとめていますが、実際にどこまで必要かは現地を見せていただかないと判断できません。
三重県の陸屋根・屋上の防水は山真塗装へ
山真塗装は、三重県全域で自社施工による外壁・屋根・防水工事に対応しています。陸屋根や屋上は、上がってみて初めて状態がわかる場所です。「雨漏りはしていないが水はけが気になる」という段階でご相談いただければ、清掃で済むのか、補修が必要なのか、防水の改修時期に来ているのかをご説明できます。無料の現地診断を行っていますので、お気軽にお声がけください。防水工事の内容は防水工事のページでもご案内しています。
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